ファイターズ
2023/10/16 22:00

来季への光明つかんだ堀 きっかけはゼロからのフォーム再構築と〝師匠〟の助言「体絞ってこい、太りすぎや」

来季へ向け、フォーム再構築に成功した堀。鎌ケ谷では気持ち良くキャッチボールで汗を流した(撮影・近藤裕介)

来年のスタートは最高の状態で

 悩み深き23年から、復活の24年へ―。日本ハムの堀瑞輝投手(25)が16日、千葉・鎌ケ谷の球団施設で秋季練習を行い、来季へ向けた手応えを明かした。「今はめちゃくちゃ状態が良いです。この良い状態を最低限として、来年のスタートを迎えたい」と力を込めた。

左肩負傷の影響でフォーム崩れ 実力発揮できなかった今季

 高卒7年目の今季は、モヤモヤを抱えながらのスタートだった。昨季、左肩を負傷した影響が長引き、痛みの出ない投げ方を模索しているうちに、本来のフォームを見失った。開幕を2軍で迎え、4月中に1軍に上がるも、わずか5試合の登板で降格。「肩をかばって結局、調子を上げられなかった。何をしても球速が上がらない。自分の思った球が投げられない。原因も分からない。1軍に行ったときも、ずっとモヤモヤはしていましたね。自分では大丈夫、投げられるっていう感じでも、実際に投げている動画を撮って見たら、かばって投げている。自分では100%で投げられているなと思っても、実際の球は5、60%しか出ていなかったり。今年は、ずっとそうだったんじゃないですかね」と悔しそうに振り返った。

「肩をかばって投げるクセ」をまっさらな状態に

 それでも、鎌ケ谷で過ごしたは時間は決して、無駄ではなかった。暗闇から抜け出すきっかけは6月後半、あえて実戦を離れ、一からフォームを見直したことだった。「どうしても、肩をかばって投げるクセがついてしまっていたので、一回、考えていることを全部やめました。全部分解して、何も考えずに投げて、真っ白の状態からつくりあげていく感じです。本当にチームには迷惑をかけていますし、自分の人生の中でもすごいもったいない時間だとは思うけど、それ以上のものを取り返せるように、今の時間を大切にしたい」と、野球と真剣に向き合い続けた。
 

フォームを確認しながらキャッチボールする掘

 

けがの功名で再確認 下半身と上半身のひねりを使える状態に

 広島新庄高時代から、うまくなる方法を自分で考えることが好きだった左腕。フォームを再構築する作業は少し楽しく、心の負担を軽減してくれた。途中、右脇腹を痛め、実戦復帰は9月まで遅れたが、「今まで、肩をかばって投げていたときには使えていなかった部分を使えたからこそのけがだった。下半身と上半身のひねりというか、そこを動かすことができるようになった。けがをしたのはもちろん良くないことではあるけど、そこをしっかり使える状態まで持ってこられたことは良かった」と、その痛みは本来の姿を取り戻しつつある証拠でもあった。

苦しいときも ちゃんと見ててくれた大先輩に感謝

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