高校野球
2023/07/25 23:05

北海道栄 2季連続決勝で北海に屈す 再び頼みのエースで救援失敗【南北海道大会】

五回1死一、二塁、北海・今北内野手から適時二塁打を浴びて汗を拭う北海道栄・山崎投手(撮影・小田岳史)

■全国高校野球選手権南北海道大会最終日(7月25日、エスコンフィールド北海道)
▽決勝 北海11-2北海道栄

エース山崎が五回無死満塁で登板も流れ止められず

 春の全道決勝で敗れたリベンジに挑んだ北海道栄だったが、再び北海の前に跳ね返された。2点ビハインドの五回。1点を失い、なおも無死満塁のピンチでエース・山崎晄投手(3年)が救援のマウンドに上がった。しかし制球が定まらず、この回だけで7失点。七、八回に1点ずつ返したが、48年ぶり2度目となる甲子園出場には手が届かなかった。

 九回2死三塁。勝敗はほぼ決していたが、山崎は「自分の後が代打の準備をしていて、つなごうという気持ちで打席に立った」。2ストライクから粘りに粘ってフルカウント。しかし9球目を打ち上げゲームセット。七回には2死二塁から、この試合チーム初得点となる適時打も放っていたが、最後は「つなげげられなかったので、本当に申し訳ないです」と言葉を詰まらせた。

北海道栄エースの山崎

準決勝は好救援で勝利に貢献

 前日24日の準決勝・札幌日大高戦では、同点に追い付かれた八回1死二、三塁のピンチで救援し、無失点。延長タイブレークでの勝利に貢献した。糸瀬直輝監督(48)は「このチームは、山崎で勝ってきたチーム。厳しい状況で準決勝も勝ったので、決勝も同じような形でエースに託そう」と、この日の最大のピンチでエースをマウンドに送り込んだ。

春も三回に大量失点 「同じ相手に負けて悔しい」

 だが、カウントを整えるための低めのフォークが北海打線に見極められた。無死満塁から2者連続四球で押し出し。「腕が振れていなかった」と、1死後にさらに2連打。この回打者一巡の猛攻を止めることができず、大量リードを奪われた。山崎は春季全道の決勝戦でも、三回途中に救援したが流れを止めることができず大量失点。「同じ相手に負けて悔しい」と唇をかんだ。

謹慎明けで夏から指揮を執った糸瀬監督も涙

 23年2月に糸瀬監督が体罰などにより4カ月の謹慎処分を受けた。春は加藤功臣部長(38)が監督として準優勝し、夏の支部予選から監督に復帰した。「北海に思いをぶつけたかったんですけど、なかなかできなくて。ここまで来させてくれたのも、支えてくれている、加藤、土井(コーチ)、傳法(コーチ)の3人がいてくれたから。3年生には、急な夏の大会の監督起用だったんですけど、それにしっかり応えてくれた」と涙を浮かべた。

2年生の小原が3回2失点&ソロアーチ

 今大会はスタメン9人中4人が2年生。六回に山崎の後を継いだ、小原一叶投手(2年)が3回2失点と貴重な経験を積んだ。八回にはその小原がソロアーチも放った。山崎は「次の1番は、小原に背負ってもらいたいなって気持ちもある。(引退しても)まだ寮にいるので、期待したい」。加藤監督も「気持ちをボールに伝える子。六回以降は2-2」と評価。投手陣を再び整備し、秋にまた白老の地から出直しを図る。

八回1死、左越えソロ本塁打を放つ北海道栄の小原投手

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