高校野球
2023/07/17 20:00

駒大苫小牧8季ぶりの道大会勝利 ラッキーボーイ・藤田大和が3安打2打点【南北海道大会】

六回1死二塁、適時打を放つ駒大苫小牧の藤田(左)(撮影・大島拓人)

■全国高校野球選手権南北海道大会第2日(7月17日、札幌円山球場)
▽1回戦 駒大苫小牧4―1北照

大会前、負傷選手に代わりベンチ入り

 ラッキーボーイが久しぶりの北海道大会勝利を運んできた。駒大苫小牧は1回戦で公式戦4連敗中の北照と対戦。今大会前にベンチ入りした藤田大和三塁手(2年)が3安打2打点と躍動すると、先発の大森幌投手(3年)が9回1失点の好投。投打ががっちりとかみ合い、2020年秋季全道大会以来、実に8季ぶりの北海道大会勝利を挙げた。

佐々木監督も安堵「良かったです」

 難敵・北照を退け、佐々木孝介監督(36)は試合後、安堵の表情を見せていた。久しぶりに全道の舞台で勝利し「良かったです」と胸をなで下ろし、「まだまだ強くなると思っている。こんなもんじゃないです」と選手たちへの信頼を口にした。エース・大森の好投、切り込み隊長・藤森一冴中堅手(3年)が3安打と打線をけん引するなど、3年生の意地が垣間見えた中で思わぬ伏兵が大舞台で躍動した。

四回左前打、六回二塁打、七回右打打

 今年公式戦初先発となった藤田だ。1―1の四回2死一塁。変化球でタイミングをずらされ、白球はバットの先に引っかかってしまった。緩いゴロが三遊間へ飛んだが、野手が重なる形でスルスルと左翼へ抜けていった。二走が一気に生還するまさかの勝ち越し打に藤田も「(打った瞬間は)『あっ!』と思った」と苦笑いした。これで気持ちが乗った藤田は六回にも北照のエース・上川貴之投手(3年)から左中間への適時二塁打、七回には右前打をマークした。

春夏とベンチ外も腐らず練習

 昨秋はベンチ入りを果たしていたが、今春の公式戦、今夏の室蘭支部予選はベンチから外れていた。それでも「3年生が最後。全員がまとまってきて、全力でやるという気持ち」を持って腐ることなく汗を流した。元々は守備が持ち味で、内野はどこでも守れるユーティリティープレーヤー。現に昨秋の全道大会では二塁を守っており、今夏から三塁が主戦場となった。打撃の調子自体も向上し、佐々木監督も「藤田、良くなったな」と見ていた。

「絶対につなげるという気持ちで試合に臨みました」

 今大会前にベンチ入りメンバーの寺田七将投手(ななと、1年)が負傷すると、指揮官は代わりの投手ではなく藤田のベンチ入りを即決。そして、この試合も「動きが良くて、思い切って」スタメン起用。この日の朝、宿舎で告げられた藤田は「絶対につなげるという気持ちで試合に臨みました」と浮き足立つことなく、しっかり役割を全うした。

 「ずっと全道初戦負けだったので、絶対に勝つっていう気持ちはありました」と闘志を燃やしていた。名門復活に向けて、最高の1歩目を踏み出した。2007年以来となる夏の甲子園まで歩みを止めるつもりはない。

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