Vリーグ
2023/06/22 18:25

新設V3女子に参入するアルテミス北海道 Vサマーリーグで腕試しだ

7月7日から始まるサマーリーグに挑むアルテミス北海道の選手(撮影・西川薫)

7月7日から「Vサマーリーグ東部大会」

 今季、バレーボールVリーグ女子に新設される3部に参戦するアルテミス北海道が7月7日に開幕のVサマーリーグ東部大会(長野・松本市)に初出場する。予選グループA組はアルテミス北海道のほか、V1のNECレッドロケッツ、今季V1に昇格するインターナショナルアランマーレ、昨季V2準優勝の群馬銀行グリーンウイングス、V2の千葉エンゼルクロスの5チームで争う。初陣の相手は千葉だ。いずれも強敵揃いだが、この大会を試金石に秋に開幕するリーグ戦へ弾みをつける。

V3初年度は4チームで争う

 道内初のVリーグ女子クラブ、アルテミス北海道の挑戦がいよいよ本格的に動き出す。V3はアルテミスを含めて4チームが参戦。元日本代表で現役引退以来12年ぶりにVリーグの舞台に戻る成田郁久美監督(47)は「V3では優勝を目指しています。ただ勝てばいい訳じゃなくて、去年までよりも上に向かっていくぞっていうところで内容的にも進化させていかないといけない」と新設のV3で初代女王を狙う。

成田監督「格上ばかり、ありがたいチャンス」

 サマーリーグは若手のアピールの場としての位置付けだが、「格上のチームばかりなので、そこと対戦できるのは私たちにとっては夢のような、ありがたいチャンス。そこで、今の自分たちの実力がどのぐらいかというところをしっかり見極めて帰ってくればいい」。アルテミスにとってはV参戦前の最高の試金石となる。

複数ポジションやるなどレベルアップ必須

 メンバーは昨季限りで2人が退団、北広島市出身のミドルブロッカー(MB)井澤天音(22)が加入し12人。攻撃陣はレフトの小室祐里(27)を中心にアウトサイドヒッター(OH)が4人に対して、MBは松田莉子主将(29)ら6人。成田監督は「正直うちのチームは人数が足りてない。足りないポジションがある中で、1人1人の引き出しを増やしてもらわないとリーグ戦は回らない。ポジションを複数やってもらったり役割を増やしてもらう。ミドルの選手に関しては他のポジションをするのがなかなか難しい選手が多い。とにかく1人1人のレベルを上げてもらわないと」と、小室ら攻撃陣への負担を軽減するためMB陣の奮起に期待する。

MB陣底上げに強力助っ人

 そのために強力な助っ人がチームに加わった。指揮官の旭実高時代の先輩で、ユニチカや東レ、トヨタ車体でコーチなどを務めた村田恵保美さん(49)をアドバイザーに招聘した。「ポジションもミドルでしたので、主にミドルの選手のブロックや攻撃の指導。トレーナーの経験もされている方なので、トレーナーと連係しながら体の使い方のアドバイスをもらっています」。MB陣の底上げはチーム力アップに必要不可欠だ。

4季ぶり復帰の小室「ワクワクしてる」

 攻撃の中心を担う小室は、V2のGSS東京サンビームズでプレーした2019-20年以来4シーズンぶりの復帰。「Vリーガーとして戦えるのもすごい嬉しいし、V2やV1の強いチームと当たれることがすごいワクワクしてる」と待ち望む。V参戦に備え「相手が高くなればなるほど、今までと同じだと通用しない」と、前方へ飛び込み気味になっていたスパイクの打点を高くするために、より垂直方向へ飛ぶことを意識。「調子がいいときはブロックの上から相手のコートが見えたりとか上から打てている感触はあったので、少しずつ上がってきている。でも、その精度がまだ全然低くて、特にハイセット(セッターが定位置から離れた場所から上げるトス)になった時は打点が下がってしまうので、ハイセットでも同じように打点を高くしたい」と改良に励んでいる。

松田主将「サマーリーグで戦い方盗んでいく」

 初戦の千葉は昨季V2で11チーム中9位。松田主将は「Vリーグが始まる前の一番最初の試合だけど、自分たちが一番下。チャレンジするしかない。サマーリーグでは上のチームのいいところとか戦い方を盗んでいく。私たちは試合経験が少ない、勝ち方を知らないことが欠点。勝ち負けにはこだわりますけど、戦い方、試合のつくり方、流れのつくり方をしっかり吸収してVリーグに繋げていきたい」。〝女神(アルテミス)〟対〝天使(エンゼル)〟の天上対決を制して勢いに乗る。


■7月7日の第2戦で対戦するアランマーレに2021-22シーズンまで在籍したMB尾花佳甫(28)
「アランマーレが1部に上がって嬉しい気持ちもありながら、2部までしか経験したことがないから、より頑張るぞって思いましたし、北海道のみんなと一緒にバレーができることも楽しみつつ全力でやっていきたい」

■ライトとレフトの両ポジションをこなすOH真田知紗都(26)
「リズムを崩さないように気を付けている。レフトとライトでは出てくるボールの角度とか速度とかも違うので、そこはちゃんと見てから入るように意識している。今までやってきたものをまず出せるように頑張りたい」

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