ファイターズ
2021/10/15 14:36

≪岩本勉のガン流F論≫大海詰めの繊細さが欠けていた

 伊藤は調子十分、気合十分でマウンドに上がっていた。三回2死満塁のピンチは、直球勝負で中村を右飛に抑えた。その開き直りもOKだ。ただ、気になる点があった。低めのショートバウンドになるような球が少なく、うわずり気味だったのか、三振がほとんど取れなかった(7回で2個)。“詰め”が、らしくなかった。
 グラウンド整備が入って、新しい空気が流れた六回にいきなり二塁打。直後の中村の2ランを含め、3回り目に入った西武打線に対応された。伊藤の持ち味は1球に対する執念だが、繊細さが欠けていたように見えた。大胆と大ざっぱは違う。
 2桁勝利が懸かっていた。周りも騒がしくなり、プレッシャーがないとは言えない状況だった。平常心を醸し出そうと努力していたようにも取れるが、マウンドでのさばき、しぐさが普段とは違うように感じた。
 援護がなかったが、結果的にチームが負けると「淡泊だった」と言われてしまう。自分の力で評価は変えられる。次は0封の投球で打線も奮い立たせて勝ってみろ! とエールを送りたい。(本紙評論家)

あわせて読みたい