プロ野球
2023/03/02 20:00

独立リーグ・士別 中村勝新監督が就任会見「いろんな部分で街を盛り上げていきたい」

中村監督(右)が菅原大介球団代表とグータッチをする(撮影・十島功)

監督兼GM兼投手の三刀流

 日本最北のプロ野球チームを、新たな挑戦の場に選んだ。独立リーグ・北海道フロンティアリーグ(HFL)のKAMIKAWA・士別サムライブレイズの監督兼GM兼投手に就任した中村勝新監督(31)の記者会見が2日、士別市内で行われた。背番号は16に決まった。

 新天地のユニホームに袖を通し、端正な顔立ちはさらに引き締まった。プレーイングマネジャー兼GMの大役を担う中村監督は「非常にうれしく思いますし、責任感もこの地に着いて、より一層深まったので、職務を全うできるように頑張っていきたい」と決意を語った。

10年間日本ハムに所属

 22年11月初旬に球団からオファーを受け、迷うこともなかった。同月中旬には快諾の返答をした。日本ハムにも10年間所属しており、北海道への思いは深い。「こうやって縁があったのはうれしいこと。僕自身も10年間ファイターズにいられたという部分で、また北海道で何かできたらいいなと思っていた。(オファーを受けるにあたって)野球プラスアルファの経験を重視していたので、GMだったり、監督っていうのはすごい魅力的だった」

 5月7日に石狩レッドフェニックスとの開幕戦(士別)を迎える。会見では開幕投手について「僕自身もしっかり準備はしないと。ぜひ球場にその真相を見に来てもらえたら」とリップサービスしたが、基本は選手育成に重きを置く。「基本的にはみんなに投げてもらいたい。1日2試合とか、たまにあるので、選手に負担にならないようにやっていきたい」とサポート側に徹する。

新垣スペシャルアドバイザーとの投手リレーなるか?

 また共に戦う新垣勇人スペシャルアドバイザー(37)にも言及した。「もしかしたら試合で投げるかもしれない。投げてもらえる契約」と明かし、「リレー? もしかしたらあるかもしれないですね」と〝元F戦士リレー〟にも、含みを持たせた。

 31歳の若さだが、海外での経験も豊富。技術面のみならず、海外特有のポジティブマインドにも触れており、精神面での引き出しも多い。菅原大介球団代表(44)は「海外の経験も、NPBの経験もある中村監督が士別に来てくれることに非常に興奮している」と期待を寄せた。

小学校、幼稚園、保育園の訪問プランを予定

 そのネームバリューを生かして、地域密着を押し進める。チームのことのみならず、野球の普及にも尽力するつもりだ。中村監督は「野球に触れたことのない子たちに楽しさを伝えていけるような活動をしていきたい」と小学校や幼稚園、保育園を訪問するプランも頭に描いている。

 この冬は、選手としてのトレーニングがメーンで、編成などは菅原球団代表や小野真悟ヘッドコーチ(38)に任せていたことが多く「そこまで忙しくなかった」という。今月中旬から選手たちが続々と合流予定。「いろんな部分で街を盛り上げていきたい。野球場が楽しいなっていうのを提供できたら」。監督・GM・投手の〝三刀流〟は、これから本格化していく。


■プロフィール 中村勝(なかむら・まさる) 1991年12年11日、埼玉・春日部市生まれ。2009年に春日部共栄高から投手としてドラフト1位で日本ハムに入団。19年まで在籍し、60試合に登板。15勝17敗、防御率4.07の成績を残した。退団後はオーストラリア、メキシコの海外リーグでプレー。22年はオリックスの春季キャンプにテスト生で参加し、育成選手として入団。3年ぶりにNPB復帰を果たし、7月に支配下登録された。3試合に登板し、0勝1敗、防御率8.53。シーズンオフに戦力外通告を受けた。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。