冬季スポーツ
2023/02/05 20:00

ロコ・ソラーレ 地元・常呂で初の連覇! MVP吉田知「北海道のファンを忘れずに」世界選手権に挑む カーリング日本選手権

連覇を果たし喜ぶロコ・ソラーレ(提供写真ⒸJCA IDE)

■日本カーリング選手権大会(4日、北見・アドヴィックス常呂カーリングホール)
▽女子決勝 ロコ・ソラーレ(予選1位)7―5SC軽井沢(予選4位)

冷静な試合運びで点差以上に強さ発揮

 貫禄の連覇だ。ロコ・ソラーレが、予選4位から勝ち上がってきたSC軽井沢を7―5で退け、2011年から14年まで4連覇した中部電力以来となる連覇を成し遂げた。勢いで向かってくる相手にも動じず戦う姿は、まさに王者の風貌だった。

 第1エンドからいきなり3連続スチールで、4―0と好スタートを切ったが、百戦錬磨のチームに隙は生まれなかった。むしろ、スキップの藤沢五月(31)は「4点差があったとしても集中力を切らさないように。相手が後攻のときに取られても2点、私たちが後攻のときは1点以上取る」と気を引き締めて、冷静な試合運びに徹した。

7年ぶり世界選手権の代表に

 3月の世界選手権(スウェーデン)代表にも決定。新型コロナの影響もあり、準優勝で出場した2016年以来7年ぶりの大舞台に挑む。藤沢は「ずっとずっと出たかった世界選手権に出られる。しっかりと準備したい」と意気込むと、セカンドの鈴木夕湖(31)も「五輪に2回出て、世界選手権1回は珍しい。世界選手権への縁がなかったので、また世界選手権でメダルを取りたい」と続いた。

 世界トップクラスの実力を持つロコ・ソラーレだが、成長に貪欲だ。国内大会でもその姿勢は変わらない。グランドスラムがあり、調整期間が短いことも影響したが、予選では2敗を喫した。リードの吉田夕梨花(29)は「若手のチームが年々強くなっている。研究不足もあったり、アイスリーディングの弱さが出た。するべき2敗だった」と、競技レベル向上の必要性を肌で感じた1週間だった。

MVP吉田知「なりたい姿ややりたいパフォーマンスは叶えても叶えても出てくる」

 4日のプレーオフから1日以上空いたが、しっかり練習に時間を費やした。進化するために余念はない。大会MVPを獲得したサードの吉田知那美(31)は「勝ちながら、なりたい姿ややりたいパフォーマンスは叶えても叶えても出てくる。成長に限界はない」と、まだまだ伸びしろは十分にある。その〝余白〟を埋めるためには、世界選手権は格好の舞台。藤沢は「出場チームが多い分、試合数も多い。フィジカルの強さを求められるけど、その分7年間の経験で強くなっている」。たくましくなった自分たちを披露するつもりだ。

 地元・常呂で初の連覇を決めた。無観客ではあったが、コンビニなどで掛けられる「全日本頑張ってね」の温かい言葉は、確実にパワーへとなった。「どこで戦っていても、北海道のファンのみなさんが見てくれていることは忘れずに氷に立ちたい」と吉田知。北見で養った力で、次は世界の頂点を獲る。

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