■コンサドーレ沖縄キャンプ（３０日、金武町陸上競技場）

　３１日に沖縄県内で行われる練習試合（非公開）に向け、ミニゲームなどで汗を流した。

東京Ｖでも経験した位置

　Ｊ２東京ヴェルディから完全移籍した、パリ五輪世代のＤＦ馬場晴也（２１）は主力組の右センターバック（ＣＢ）でプレー。ここまでの練習試合２試合ではダブルボランチに入ったが、ＣＢは東京Ｖでも経験しており動きがスムーズ。Ｊ１デビューへ順調にアピールを続けている。

　最終ラインから右サイドラインを何度も駆け上がり攻撃参加。守備ではＣＢ真ん中に入ったＤＦ田中駿汰（２５）とのコンビネーションもそつなくこなした。「３バックっていうよりも、サイドバックみたいな感じ。今日は特に（小林）祐希さんがシャドーだったんで、俺が（外に）張ることが多かった。そういった時のアイデアは、まだちょっと足りない。もう少し内側で（ボールを）もらえれば、ドリブルで運んだり縦パスが出せる。（外に）張って（ボールを）もらった時の自分のクオリティーを上げてかなきゃいけない」。昨季、Ｊ２リーグ戦３１試合に出場した経験から、Ｊ１で戦う上積みを蓄積している。

　中学から東京Ｖの下部組織で育った。各世代別代表にも選出された。昨年６月にウズベキスタンで行われたＡＦＣ・Ｕ２３アジアカップにＵ２１日本代表として出場。決勝トーナメントでは、準々決勝から３位決定戦までの３試合全てに最終ラインでフル出場した。３位決定戦のオーストラリア戦ではゲームキャプテンを務めるなど、世代別代表の中心選手として順調にステップアップを遂げている。

「守備が課題、そこを高めていけばＪ１でも十分できる」

　パリ五輪へ向けた大事なプレシーズン、Ｊ１でプレーするために札幌に完全移籍した。「Ｊ１は強度も違いますし、外国の選手も日本人でも個のクオリティーが高い。特に札幌のサッカーだと、守備で一対一になる。自分の中で守備が課題だと思っているので、そこを高めていけばＪ１でも十分できると思いますし、オリンピックやワールドカップにつながっていくと思う。楽しみが一番強いです」と大きな野望を抱いて練習に励んでいる。

　彫りの深い顔立ちに、きれいにそろえた眉毛と力強い目力。「去年から髪を伸ばし始めて」と、額に黒いヘアバンドを巻く。チームにはＧＫ松原修平（３０）、ＤＦ西大伍（３５）らヘアバンド組がいる。趣味は「ビンテージの服とか好きです。札幌で落ち着いたらいろいろとまわりたいな」と、札幌のオシャレ番長を目指す。

　開幕戦まで３週間を切った。今季初の対外試合となった１９日のＪ２町田戦では、１本目にＭＦ小林祐希（３０）とダブルボランチを形成。２４日のＪ１ＦＣ東京戦は体調不良で欠場したが、２８日のＪ２長崎戦は２本目にＤＦ西とコンビを組んだ。「１試合、ちょっとアクシデントがあって出られなかったけど、最初に比べたら戦術も深まってきましたし、頭の中も整理がついてきた。沖縄では残り２試合あるんで、そこで持ち味を出すことが、開幕戦や今後につながっていくと思う」。最終ラインも中盤もこなすポリバレントな２１歳が、代表と同じ背番号３を背負い、開幕スタメンへ名乗りを上げる。