ファイターズ
2022/08/17 23:58

今川「楽しく打てばヒーロー」〝遊び心〟で得点圏に強い男に

三回2死一、二塁、エンタイトルツーベースを放った今川

■日本ハム2-8楽天(17日、札幌ドーム)

出場6試合連続安打 得点圏打率は.311に

 生業を楽しむ―。「5番・中堅」で先発した今川優馬外野手(25)が、一時は同点となる適時二塁打を放ち、持ち前の打力で見せた。これで出場6試合連続安打と、レギュラー獲りへアピールを続けている。

逆転三塁打が幻に「執念強すぎました」

 今川らしいライナー性の強烈な打球だった。1点ビハインドの三回2死一、二塁。楽天・辛島のチェンジアップを振り抜くと、打球は左翼線を抜けていった。走者を一掃し、今川も悠々と三塁を陥れた。

 逆転三塁打かと思われたが、まさかの不運に見舞われた。打球がフェンス下部の隙間に挟まり、エンタイトルツーベースとなり、一走・近藤が三塁へ戻ることに。これには今川も「ちょっと執念が強すぎました」と苦笑いだった。

 得点圏での強さが際立ってきた。打率.241に対し、得点圏打率は.311と跳ね上がる。その好結果を生み出している要因は〝遊び心〟だ。前半戦は、チャンスで打ちたい気持ちが強すぎ、自ら打撃を窮屈にしていたが、好機を楽しもうとするメンタルに切り替えると、結果もついてくるようになったという。

 「(チャンスで)ホームランを打てば、打点が全部自分のものになるな、と気持ちに余裕を持って、気負いすぎず、楽しく打てばヒーローだなって感じで(打席に)立っています」

お手本はビッグボス「チャンスの時ほどガツガツ」

 新庄監督も現役時代は楽しんでプレーしていたことを、ふと思い出したという。「チャンスの時ほどピンチみたいな、こっちが追い込まれているような雰囲気がチーム全体的にも感じていた。チャンスの時ほどガツガツ、ギラギラした感じでいければ」と、より貪欲さを持って、打席に向かっている。

 最近は中堅の位置につくことが多くなり、守備でも充実した日々を送っている。「(相手)打者のスイング軌道を見て、(外野の)ポジションニングを動かしたりするのが好き。ボス(新庄監督)にも『センターをやりながら配球を勉強すれば、バッティングにつながるよ』と言われたので、すごく良い経験をさせてもらっている」。積極的に両翼へ指示を送るなど、失敗を恐れずに挑戦している。

 走攻守三拍子揃った選手になるのが、今川の目標だ。打撃、守備、走塁の全てにおいて、成長の余地はたくさん残されている。25歳の道産子外野手には、伸びしろしかない。

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