ファイターズ
2022/08/14 22:59

《岩本勉のガン流F論》復帰即白星の加藤 昨季との違いはランナー抱えての冷静さ

ランナーを抱えても冷静に自分と向き合えていた加藤

■日本ハム8-3ロッテ(14日、ZOZOマリンスタジアム)

 1か月ぶりの実戦マウンド。離脱中に一時、40度の熱も出たという。それでも加藤が復帰登板で実に見事な投球を披露してくれた。

 走者を出しながらも、のらりくらりと2失点。ランナーを抱えても決してバタバタすることがなかった。それが去年までとの一番の違い。一度失点すると、ストライク、アウトを取り急ぐ。それがなくなった。

 この日も一、三回に失点したが、大崩れしなかった。マウンドで「ふぅ」と息を吐くしぐさが見られた。冷静に自分と向き合える余裕も備わっていた。昨季、規定投球回をクリアした。自信の礎となっているのだろう。多湿で高温な環境もプラスに働いた。変化球投手は多少の湿気を欲する。体が冷えることもなかった。

 6回83球。首脳陣は「七回も」と少々、欲を見せかけたかもしれない。それだけの内容だった。だが、1か月ぶりの登板。心身ともに相当の疲れがあるはず。次回以降をも考えると、適切な降板と言えよう。

 攻撃面では七回の1点がかなり大きかった。佐藤が2死二塁でタイムリー。その裏、2番手のメネズがスムーズにマウンドに登ることができた。加藤にとって久しぶりの登板、そして白星。リリーフ陣も確実に意識していた。佐藤が奪った1点は、投手陣にゆとりを与えた。(本紙評論家)

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