ファイターズ
2022/07/16 23:25

打球直撃の痛みに耐え続投! 上沢の投魂が導いたチーム7連勝 

打球直撃もなんのその! 七回1死二、三塁のピンチをしのぎ、ガッツポーズを見せる上沢。チームを7連勝に導いた(撮影・松本奈央)

■日本ハム1ー0西武(16日、札幌ドーム)

新庄BIGBOSS 球団新人監督最多記録タイ

 日本ハムがエースと4番の活躍で3年ぶりの7連勝を飾った。16日、札幌ドームで西武と対戦し、1―0と快勝。先発した上沢直之投手(28)が粘りの投球で7回1/3を無失点に封じた。打球が右足を直撃するアクシデントも乗り越え、6勝目を手にした。新庄剛志監督(50)は、東映フライヤーズ時代の1956年に岩本義行監督がマークした球団の新人監督連勝記録に肩を並べた。

 最後に見せた〝おとこ気〟が白星をたぐり寄せた。先発した上沢が西武打線を7回1/3無失点に封じ、1―0の最少点差を守り切った。「それなりにまとまって投げられたかな」と今季6勝目の投球を振り返った。

打球が右足つま先付近直撃

 エースとして、簡単にマウンドを譲るわけにはいかなかった。1点リードの七回1死二塁、アクシデントが襲った。ジャンセンの放った強烈なゴロが右足つま先付近に直撃(記録は投手への強襲内野安打)。治療のため、ベンチ裏に退いた。

 しかし、一、三塁に走者を残したまま降板するという選択肢は、みじんもなかった。「『大丈夫、いけます』と言って、普通に投げました。あそこで代わって、あんな場面で投げさせられるピッチャーは、たまったもんじゃないでしょうし」。大黒柱の意地が垣間見えた瞬間だ。

 「めちゃめちゃ痛いです。痛くない投げ方を探しながら投げてました」というエース右腕の気合が、山賊打線をのみ込んだ。その後、1死二、三塁となったが、山田を二直併殺に仕留め、七回もスコアボードに「0」を刻んだ。

 上沢は右拳を握り、大きくほえた。続く八回もマウンドに上がり、先頭の鈴木を打ち取ったところでお役御免。117球の力投で、チームに3年ぶりの7連勝を呼び込んだ。

「やばいっす。超痛いっす」降板後に病院直行

 痛みに耐えて、先発投手の役割を全うした。試合後は松葉づえをつき、球団関係者に「やばいっす。超痛いっす。ワンチャン(もしかしたら、の意味)折れてるっす」とこぼし、そのまま札幌市内の病院に向かった。検査結果は17日にも判明する見込みだ。

 新庄監督は球団の新人監督記録に並ぶ7連勝を達成。魂のこもった投球で、一番の立役者となった上沢は「一つでも多く連勝を伸ばしたいと思ったので、こういう結果になって良かったと思います」と素直に喜んだ。8連勝、9連勝、さらなる快進撃を目指す上で、エースの〝奮投〟は確実に力になるはずだ。

あわせて読みたい