ファイターズ
2022/04/13 23:10

新庄ビッグボス 九回逆転機逃し「なんか…スッキリしない試合」

試合終了後、ベンチへ引き揚げるアルカンタラらを拍手で迎える新庄監督

■日本ハム3ー4西武(13日、ベルーナドーム)

 後ろ髪を引かれるような感情が表情に表れていた。4点差をじわじわと追い上げ、九回に千載一遇のチャンスをつかみながら、西武に逃げ切られた。ビッグボスが試合後、真っ先に指摘したのは、詰めの甘さだった。

 「最後、あのバント(処理で)、源田君がミスしてくれて、逆転しておかないといかんね。相手のミスを利用してこっちが(流れを)もってくるという。乗らないといけなかった。最低でも同点じゃなくて逆転くらい」。九回無死一塁からアルカンタラのバントは、捕ゴロで二塁封殺のタイミングだったが、名手の源田が送球をはじき、一、二塁となった。予期しない形でビッグチャンスが転がり込んできた。

 石井が犠打を成功させ、1死二、三塁。お膳立ては整った。追い詰められた西武は余裕がなくなり、球場はざわついていた。指揮官は、ここが勝負どころと踏んだ。しかし、代打のヌニエスが3球三振で万波が二飛。膨らんだ希望は一瞬でしぼみ、ドラマチックな逆転勝ちの筋書きは、完結しなかった。

 付け入る隙を与えず、ミスに乗じて畳み掛けるー。それが守り勝つ野球の鉄則だ。先発の立野が3回4失点でKOされてから救援陣が抜群の投球を見せた。吉田、宮西、杉浦、古川侑が無安打リレー。西武が手にしていた主導権を力技で引き寄せた。新庄監督は我慢や粘りを評価し「かみ合ってきた。序盤に点数をポンポンと取られて、普通なら流れ的にガーって行く感じだけど、追い付いてきて、面白いゲームにはなったと思う」と手応えを口にした。

 ただ、大満足はできなかった。シーズン開幕後、連敗しても落胆の色を見せず、未来の糧になると前向きに訴えてきたが、この日は「なんか…スッキリしない試合」と本音もこぼれた。

 求めるハードルはクリアしていくたびに、高くなる。若手主体のチームが少しずつ成長してきた証しなのかもしれない。強くなるためには小さなほころびを見逃さず、勝機をつかみ取ることが重要。3連勝やカード勝ち越しを逃したことに悔いはなかった。ビッグボスの理想やこだわりが垣間見えた意味のある一敗だった。

あわせて読みたい