ファイターズ
2022/03/31 23:20

立野 チーム白星1番乗り 「きょうは50点」

今季初先発で勝利を挙げた立野

■日本ハム6ー2西武(31日、札幌ドーム)

 アンチ・ビッグボスを黙らせる有言実行の連敗ストップだ。今季初登板の立野和明投手(23)が開幕5連敗で迎えた6戦目の先発マウンドを託され、5回を4安打2失点にまとめて白星を挙げた。

 「連敗していたので、何としても勝ちたいというのが強かった。何点取られても勝てればいい。まずそこはうれしく思います。状態は悪くなかった。きょうは野手の方がたくさん打ってくれたので、とても楽に投げられました」。

 シーズン開幕後も目立ちまくる指揮官。勝てない日々が続けば、批判の声も高まる。選手の一人として責任を感じた右腕は、登板前日の30日に「監督がたたかれないように、あすは投げます。(選手が)なんとか、というのも思いますし、やっぱりプレーするのは選手なので。(オフの自主トレで行った)滝行の時も言ったように、シーズンに入ったら選手。1面を書く準備をしておいてください」と意気込んでいた。

 言葉通り、ビッグボスから主役を奪うつもりでマウンドに上がった。一回から持ち前のテンポの良さを生かし、堂々たる投球を披露。毎回のように走者を背負うも、粘って四回まで無失点で切り抜けた。打線の援護にも助けられ、3―0の五回に2点を失うも、降板するまでリードを守り抜いた。

 ベンチで奮闘を見守った指揮官は目を細め「本当に、きのうから気合を入れてくれていて、ああいう台詞は選手たちにも、僕含めコーチもフロントも、すごい心強いなと。本当にああいうピッチングしてくれて、うれしいですね。他の選手たちもまた、そういう気持ちで、野手もピッチャーもやってくれると思います」とべた褒めだ。武田投手コーチは「序盤から丁寧に低めに集めてくれて、立野らしいピッチングだった。行けるところまで行くっていう気持ちを前面に出してくれた」とたたえた。

 ヒーローインタビューに呼ばれた右腕は「あしたの1面を飾ろうと思い、(マウンドに)上がったんですけど…やっぱり監督です!」と大きな声で〝白旗〟を挙げた。長いイニングを投げることが目標だっただけに、内容を振り返れば「最低限。きょうは50点。勝てたというのが50点だけっす。また次回に良くしていかないといけない」と反省の言葉が口をついた。

 それでも、勝ったことが全てだ。歴史に残るビッグボス初勝利の立役者は、文句なく立野だった。

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