ファイターズ
2022/03/25 14:26

ドラ8北山「期待に応えるのが全て」開幕投手いざ出陣!

度胸買われ大抜てき「僕のマウンドでの姿を楽しんで」

新庄監督(右)と、大役に気合十分の北山は“健投”を誓い合い、グータッチを交わす(撮影・桜田史宏)

 ビッグボスの期待に応えます! 日本ハムのドラフト8位・北山亘基投手(22)=京産大=がきょう25日、ソフトバンクとの開幕戦(ペイペイドーム)に先発する。新庄剛志監督(50)から、20日にSNSのダイレクトメッセージで開幕投手を告げられた。予想外の指名に驚いたが、デビュー戦へ向けて気合は十分。24日には敵地のマウンドに立ち、25球を試投した。準備を整えたルーキー右腕が、一世一代の大勝負に挑む。

開幕5日前にDMで通達「うそみたいだ、震えた、寒気がした」

 ドラフト8位のルーキーが開幕戦のマウンドに立つ。ビッグボスの決断に誰よりも驚いたのが、北山自身だった。「何の前触れもなくメッセージをいただいた。うそみたいだという気持ちで、しばらく頭が真っ白になった。震えました。寒気がした」。

 大役を告げられたのは、20日のDeNA戦に登板した後だった。寮に戻って夕食を取り、何げなくスマートフォンを見ると、指揮官からのダイレクトメッセージが届いていた。

 「次は開幕投手の出番だ 楽しんでいけよ 任せた」

 3行の短い文だったが、「シンプルで心に突き刺さった」と感激。右腕はすぐに、「僕のマウンドでの姿を楽しんでください」と力強い返事を送った。

 驚きはまだあった。その後、武田投手コーチに「僕が開幕なんですか」と確認すると、「いや、俺らも聞いていない」とまさかの返答。「誰にも言うなよ」と口止めされた。慕っている上沢から「北山なんか言われていない?」と聞かれても「ちょっと何も今のところ聞いてないです」とはぐらかすしかなく、「心苦しかった。後から謝りました」と新人らしく笑った。

 新庄監督は大抜てきの理由について「キャンプからずっと良かった。マウンド度胸もすごくいいし、喜怒哀楽もすごい出してくれる。チームにとっても彼が一番いいかなと。あとは相手にデータがない」と説明。登板回数については「教えない」と口を閉ざしたが、北山はオープン戦で2回が最長。短いイニングでの起用が予想される。

 この日24日には初めて敵地ペイペイドームを訪れ、全体練習の途中でマウンドにも上がった。近藤らに打席に入ってもらい「雰囲気とマウンドから見える景色、傾斜を実際に確認しておきたかった」と25球を投じ、最終チェックを済ませた。

 記念すべきデビュー戦。両親や友人もこぞって駆けつける。新庄監督からは「もう楽しんで行けよ。緊張した顔したら変えるからな」と発破をかけられた。「開幕にあたって、期待して選んでいただいたと思う。その期待に応えるのが全て」。晴れ舞台を用意してくれたビッグボスに、監督初勝利を届けてみせる。

登録名は「BIGBOSS」!劇場再演へ準備完了

 新庄劇場が再び幕を開ける―。初陣を翌日に控え、新庄監督は登録名を「BIGBOSS」(ビッグボス)に変更。「地元の福岡でやれる喜び、不思議な感じもするし、楽しみでしかない。小さいころに楽しんで野球をやっていた気持ちで大いに暴れてほしい」と号令をかけた。

 相手の開幕投手は千賀。過去8勝15敗と分が悪い。先発オーダーについて「ほぼほぼ打ってないから、誰でもいいかな」と苦笑い。「今日調子がいいかなという子」と練習に目を光らせつつ「でも、全員で戦う。たぶん途中からオープン戦のように代えていく」と予告した。

 「『遊び心』ね。緊張させない、力を抜かせる。で、ベンチの中で一番、僕が遊ぶという」と不敵に笑ったビッグボス。何が起こるか分からない。予測不能なシーズンがいよいよ始まる。

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