ファイターズ
2022/02/04 14:04

新庄BIGBOSS流投球チェック 威圧感たっぷり初打席 往年フォームでドラ6長谷川威と対決

2月3日は節分の日。国頭に現れた赤鬼、青鬼もBIGBOSSの前では手も足も出ません(撮影・桜田史宏)

 ビッグボス〝初打席〟だ! 日本ハムの新庄剛志監督(50)が3日、沖縄・国頭のブルペンで、キャンプで初めて打席に入った。バットを構えるしぐさなどを見せながら、ドラフト6位・長谷川威展投手(22)=金沢学院大=の球筋や球威を8球確認。自らスライダーを要求するなど、ルーキーの変則左腕に興味を示していた。

 下位指名の新人でも、ビッグボスには関係ない。若手中心のメンバーがキャンプを行う国頭のブルペンに姿を見せた新庄監督は、ドラフト6位の変則左腕に目をつけた。

 おもむろに捕手の後ろへと回り込むと、長谷川威が投球練習中の右打席へ進入。今キャンプ〝初打席〟に立ち、ときおり現役時代を思い起こさせる打撃フォームを披露しつつ、真剣な表情で8球を見送った。

 直球を見た後には「スライダー!」と球種を指定した。捕手を務めた田宮に「(長谷川威は)左バッターを抑えられる?」と尋ねるなど、興味津々。監督就任以来「横一線」とレギュラー白紙を強調してきた指揮官らしく、ルーキーにも熱い視線を送っていた。

 長谷川威にとっては、千載一遇のアピールチャンスだった。1日のキャンプ初日にもブルペン入りし、新庄監督から実戦を意識するよう伝えられていた左腕は「少し緊張しましたけど、ビッグボスが打席に立って打ちに来ていると思いこんで、真っ向勝負という感じで投球をしました」と全力で“ビッグボス斬り”を狙った。

 まずは直球を2球投じた。その後は得意のスライダーを中心に、より曲がりの大きいスラーブも織り交ぜるなど、本気で抑えにいった。それでも「三振を取れるイメージがわかない雰囲気を出していました」とオーラに圧倒された。「僕が全力で投げても、見切られていた。ボール球は振らない。結果はフォアボールですね」。仮想対決には敗れたが、表情には充実感をにじませた。

 新庄監督との真剣勝負で得た収穫は大きい。「投球練習の中で、前までは球がいっているか、いっていないか、そういう単純な考えだった。(今回)実戦を意識して、打者が立っていると思い投げることで、失投したら次はコースを投げ分けたり、1球1球の意識が変わりました」
 ビッグボスから受けた刺激を成長のエネルギーに変えた22歳左腕が、新庄チルドレン候補の一人に急浮上した。

優しく鬼退治

 3日は節分で、新庄監督が練習の合間に豆まきを行った。升に入った落花生を報道陣扮(ふん)する赤鬼、青鬼に優しくぶつけ、遠くで撮影したカメラマンにもストライクを投じた。「わはは」と笑顔を振りまきながら邪気を払うと、「オーケー、ありがとう!」と爽やかに室内練習場へ戻っていった。(国頭)

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