北浦竜次 高卒同期・田中瑛斗の活躍に「とにかく負けていられない」
支配下復帰へアピールを続けている北浦(右)=撮影・近藤裕介
プロ8年目左腕 今季2軍で防御率1.42
日本ハムの北浦竜次投手(25)が支配下復帰へアピールを続けている。
今季は2軍戦で8試合に登板し、6回⅓を投げて1失点。「ずっと、感覚が良いですね。投げていて、打者を押せている感覚がある。打たれる気がしない感じで、マウンドに立てています」と自信をみなぎらせた。
金子コーチの指導でモノにした2球種
好調の要因の一つが、金子2軍投手コーチからの指導だ。
「カット(ボール)とスライダーをネコさん(金子コーチ)に教えてもらって、それを生かすことによって、真っすぐも生きている。それまでは真っすぐ、フォーク、チェンジアップ、ツーシームで、どう抑えるか考えていたんですけど、最近はカット、スライダーを投げることで、打者の反応が変わりました。今までなかった発想をネコさんが教えてくれました。カットもあるなって打者に思わせておくと、真っすぐがささる(差し込める)。最近、空振りも取れるようになってきたので、かなり良いです」と笑顔を見せた。

遠投を工夫し、少ない登板機会をカバー
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
今年で高卒8年目。昨年、戦力外通告を受け、育成選手として再契約した。後輩の投手も増え、登板間隔が空くことも多いため、調整は簡単ではない。1試合の重要性が増し、緊張を感じることもある。それでも、練習で行う遠投に工夫を加え、好調を維持している。
「これもネコさんが言っていたんですけど、遠投の時に、普通に真っすぐだけ投げるんじゃなくて、変化球も交えて投げた方が良いと。遠投で変化球を投げるには、体の前でボールを放さないといけない感覚があって、その感覚のまま距離を近くして真っすぐを投げると、良い球が行く。感覚が良くなりました」

新天地で輝きを放つ同期
〝仲間〟の活躍に、心が奮い立った。昨年の現役ドラフトで巨人に移籍した田中瑛斗は、ともに18年ドラフトで日本ハムに入団した高卒同期。新天地ですでに、13ホールドをマークしている。中でも、5月22日の阪神戦(甲子園)は圧巻だった。同点の八回に無死満塁のピンチで登板し、森下を三ゴロ併殺に仕留めると、佐藤輝を申告敬遠した後、大山から空振り三振を奪い、無失点で切り抜けてチームの勝利に大きく貢献した。
喜ばしさと悔しさと
苦楽をともにしてきた右腕の登板を常にチェックしている北浦は、すぐに「さすがだな」と連絡し、「ありがとう」と返事が来た。ただ、心の中には当然、悔しさもある。
「さすがですよね。あんな場面で抑えて」とたたえつつ、「良かったな、という気持ちがなくはないんですけど、同期で入団して一緒にやってきているので、負けていられないという気持ちが強い。それこそ(田中)瑛斗も一回、育成になって、そこから上がってきたのを見ているので。とにかく負けていられないですね」と力を込めた。

7月31日まで全力アピール! 「死ぬ気でやります」
シーズン中の支配下登録期限は、7月31日。意識しないはずがない。
「あと2カ月あるので、悔いのない練習を毎日しています。そこだけです。何が起きるかは分からないので、可能性に懸けたいです。2カ月、死ぬ気でやります」。再び2桁背番号を勝ち取り、同期のライバルと同じ舞台に上がってみせる。
