【一問一答】レイエス 怒りを力に変えた10号2ラン キング争う万波との関係性はー
六回1死一塁、2点本塁打を放ったレイエス=撮影・松本奈央
■パ・リーグ8回戦 ロッテ1-4日本ハム(5月30日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムのフランミル・レイエス外野手(29)が六回に左中間スタンドへ、リーグトップタイの10号2ランを放った。点差を「3」に広げる貴重な一発。本塁打王を争う万波中正外野手(25)とのアーチ競演も実現し、喜びを爆発させた。ヒーローインタビューと試合後の一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―第3打席に追加点となる2ランホームラン
「(日本語で)本当に、ちょっと怒ってる」
―その理由は
「前の打席、チャンスで三振してしまったところで、めちゃくちゃ悔しくて。スイングルームで、通訳と『次の打席はホームランを打つから見ておけよ』というふうに話していて。1本打てて本当にうれしかったです」
―有言実行のホームランになりました
「当たりはすごく良かったですし、怒りを全てボールに乗せるという気持ちで。ベースを回る時も、その怒りを前面に出しながら回れたので、すごい気持ち良かったです」
ヒーローインタビューで笑顔のレイエス(中央)と達(左)
―先発の達投手が好投。レイエス選手にとってどんな存在か
「覚えているか分からないんですけど、去年のキャンプの時点で、達投手が一番のプロスペクトで、一番の有望株だというふうに伝えていて。なので今のこの活躍も、何も驚きはないですね」
―これで打点トップ。ホームランもトップかと思いきや、万波選手と並んでトップタイ
「ホームラン王争いがファイターズ内で行われているのは、すごいうれしいです」
六回1死一塁、2点本塁打を放つレイエス
―万波選手の存在はどう感じているか
「本当にすばらしいチームメートですし、すばらしい選手、才能にあふれている選手だと思っています。いつも後押ししてくれる、大事な存在でもあります」
―あす以降の戦いに向けての意気込みを
「(日本語で)頑張ります」
【囲み取材】
―スイングルームで通訳に「次は打つ」と言っていた。根拠や自信があったのか
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「そうですね。根拠というか、もちろん小島投手を過小評価しているわけでもなく、むしろチームメートであったり、ほかの人に『小島投手はどうか』と聞かれたら、いつも『すばらしいピッチャーだ』と答えていて。対戦成績もそこまで良くないですし。そんな中で、球は良く見えていて。だからこそ、自信を持って打席には臨めていたんですけど、2打席目、チャンスであのように三振、あっさり三振してしまったというところに、自分の中で憤りを感じていて。戦った中での三振ならともかく、あっさり三振してしまったことに、自分自身に怒りを覚えて。次の打席はそう簡単にいかないぞ、と話していたのがきっかけになりますね」
六回1死一塁、2点本塁打を放つレイエス=撮影・岩崎勝
―怒っていた中でも、マインドは冷静だったか
「そうですね。自分自身への怒りではあったので。相手だったり、ほかの要素に対して怒ったわけでは全くないので、良い意味でモチベーションというか、奮い立たせてくれたのかなと思っています」
―スイングルームでは、スイングをチェックするのか。それとも何かルーティーンを行うのか
「スパイクを脱いで、サンダルを履いて、ピニャ・コラーダ(カクテル)を飲んで(笑)、ちょっと歩き回って。あまり考えすぎないように、次の打席に集中するというルーティンを考えています。ピニャ・コラーダはジョークです(笑)。スイングルームの中にも、自分がそのカードで使う荷物、バットだったり用具を全て置いているので、イニング間、打順を見てみて、次の次の回くらいかなと思ったら、そこらじゅう歩き回るというか。クラブハウス内もですし、たまにここ(コンコース)を歩いたり、ブルペンの方まで歩くこともあります」
六回1死一塁、2点本塁打を放ったレイエス(手前右)を迎える新庄監督(同左)
―昨年の加入以降、グラウンドで怒りを出すようなシーンをほとんど見たことがない。何かポリシーはあるか
「それは日本のチームメートから学んだことというか。物に対するリスペクトだったり。野球は成功より失敗、特にバッターは成功より失敗の方が多いスポーツですし、この失敗をちゃんと割り切って。チームメートもいつも『トランキーロ、トランキーロ』って。『落ち着け』という言葉なんですけど、いつも声をかけてくれるので、あまり前面に怒りを出さなくて済んでいるのかなと思います。本音というか、自分は感情を前面に出すタイプの人間ではあるので。シーズンも長いですし、時には不調であったり、悪いパフォーマンスが出た時に、ちょっと気持ちが前面に出ることもあるとは思うので、そこはご了承いただければと思います」
六回1死一塁、2点本塁打を放ったレイエス(右)がドラミングポーズを披露する
―万波がホームランを打ったシーンで喜んでいたのが印象的。仲間であり、競い合う相手でもあるのか
「マンチューとはライバルというよりは、良きチームメートの関係かなと思って。シーズンの始めから、(ホームラン)3本ずつぐらいの時から、ホームラン王の会話をしていましたし。自分自身が3本で、マンチューが7本の時も、今言った感じで、ちょっとバカにしてきたりとかがあったので、見てろよと。8月まで見てろと、待っていろというふうにはずっと言っていて。今、良い感じに並べているので、すごい楽しいです。9本目、並んだ時に、打った後にマンチューに合図して、またからかい合って。良い関係性を築けているのかなと思います。でもライバル心というよりは、本当に楽しんで。結果的に打てているのかなと思います」

―日本語のボキャブラリーが日々増えていっているが、どうやって勉強しているか
「チームメートといっぱい会話します。そこの会話の中で、何度も使う言葉だったりとかをピックアップして、自分でも使うようにしています」
ヒーローインタビュー後、達(左)と腕組みポーズを取るレイエス