ファイターズ
2021/12/23 13:59

≪逍遥最終回≫西川 ファイターズには恩しかない

チームを去り、楽天への入団が決まった西川が、最後の連載「逍遥」で本音を語った

 日本ハムから自由契約となっていた西川遥輝外野手(29)が22日、楽天に入団すると発表された。今年から本紙で始まった連載手記「逍遥(しょうよう)」をこの回で最終回とし、移籍先を探していた時の心境、日本ハムへの感謝の気持ち、そして新天地で再起にかける意気込みを記した。北のスピードスターは杜の都・仙台に身を置き、これまでと同じパ・リーグの舞台で駆け回る。

 お久しぶりです。西川遥輝です。22日に発表された通り、楽天に入団することとなりました。日本ハムを自由契約となってから、これまで公の場に出ることは少なかったのですが、この連載を通して、最後に皆さんに話しておきたかったことがあります。
 自由契約になったのは正直ショックな気持ちがありました。でも、僕を欲しいと思ってくれる球団でプレーするのが一番だと思い、気持ちを切り替えました。
 ファイターズには「恩」しかありません。特に、栗山前監督にはその思いが強いです。自由契約になった後、すぐに報告しました。栗山さんからは「ここからチーム探しをしないといけないから、自分から動く方が相手の心に響くよ」という助言を頂きました。本当にありがたかったです。
 また、ファイターズや僕を応援してくれた人たちにも感謝しかありません。本当にありがとうございました。イーグルスでも良い姿を見せられたらと思っています。そのためにもまずは、新天地で友達づくりから始めようと思います。
 今季は低調な数字に終わってしまい、本当に申し訳ありません。昨オフにメジャー移籍を目指し、それがかなわなかったことでシーズンへの準備が不足してしまいました。そのことが一番、結果に響いたのだと思っています。成績を維持しようと思ってプレーすることは、逆に停滞してしまうことにつながるのだと、改めて感じました。
 今年の春先には新型コロナに感染してしまいました。それでもそれが成績に直結したとは考えていません。感染したことで結果が左右するとは思えないです。新型コロナに感染したのは事実ですが、それも含めて自分の力ということです。
 ファイターズでは11年間、プレーしました。良くも悪くも僕はそういう年齢になったんだなと思いました。今まで育ててくれた人には感謝していますし、僕に関わってくれた人たちがいてくれたからこそ、ここまで来られました。ここからもう一段階、上のレベルに行けるかは自分次第です。
 これまで本当に人に助けられてきた人生でした。そのおかげでここまで来て、成績を維持できなかったのは自分の実力です。新天地でもまたいろんな人の力を借りることになるかと思いますが、その中で自分らしさを出せたらいいなと思っています。
 1月は沖縄の浦添あたりで自主トレに臨み、来シーズンへ向けた準備をしていきます。今年まで一緒にやっていたオリックスの吉田正とは別となりますが、日本ハムでチームメートだった高浜や、意識の高いメンバーでやっていこうと思います。阪神の糸井さんは気分屋なので分からないです。
 最後に―。チームは変わってしまいますが、これからも応援していただけたらうれしいです。僕も活躍する姿を見せられるように、より一層気を引き締めて頑張ります。今までありがとうございました。

F党魅了したスピードスター

 日本ハムでは1番打者として存在感を発揮した。特にリーグ優勝、日本一を果たした2016年には打率・314、41盗塁をマークし、打線をけん引した。広島との日本シリーズでもサヨナラ満塁本塁打を放ち、大きな印象を植え付けた。
 これまで盗塁王は4度獲得(14、17、18、21年)し、17年からは4年連続でゴールデングラブ賞に輝いた。スピード感あふれるプレースタイルで相手をかき回し、ファンを魅了した。
 今シーズン終了後、取得した海外FA権について「ゆっくり考えて決めたい」と語っていたが、11月16日に“ノンテンダーFA”として、来季の契約を結ばないことを通達された。東京都内でトレーニングと並行しながら移籍先を探していた。

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