大相撲
2021/11/26 14:08

一山本10勝 十両初V見えた

10勝目を挙げ、十両で単独トップに立った一山本

 大相撲九州場所12日目は25日、福岡国際センターで行われ、西十両4枚目の一山本(28、岩内出身=二所ノ関)が西14枚目の荒篤山(27、荒汐)を押し出しで下し、十両単独トップの10勝目を挙げた。これで来場所の再入幕をほぼ手中に収めた。西十両9枚目の旭大星(32、旭川出身=友綱)は5連敗で2勝10敗。東十両10枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)は8敗目を喫し、負け越しが決定した。

 一山本が荒篤山との十両首位争いを制し、1場所での幕内復帰をほぼ確実にした。低い立ち合いから鋭い突きで主導権を握ると、危なげなく押し出して快勝。4連勝で自身最多に並ぶ10勝目を挙げ「もちろんうれしい。立ち合いでしっかり手を伸ばして前に出ることができた」と頬を緩めた。
 荒篤山とは同学年で、「常に意識している」という好敵手だ。2敗同士での対戦に、心は燃えていた。「相手も(自分と同じ)突き押し相撲なので、自分がやられたら嫌なことをしようと思って、下からあてがっていった」。立ち合いでの作戦がピタリとハマり、相手が下がったところを見逃さずに押し切った。
 東前頭15枚目で挑んだ9月の秋場所は、4勝11敗と大きく負け越して力不足を痛感。「先場所はあまり前に出られず、はね返された。そういうところを意識して稽古してきた」。自身の持ち味である「前に出る相撲」を徹底的に磨き、今場所の好成績につなげた。
 同じく2敗で並んでいた王鵬も敗れ、単独トップに立った。幕内返り咲きとともに、初の十両優勝も現実味を帯びてきている。「来場所に向けてあと1番でも多く勝てれば」。残りは3番。気を引き締め、ラストスパートをかける。

矢後 負け越し

○…4勝7敗と追い込まれていた矢後が痛い黒星を喫し、2場所連続の負け越しとなった。立ち合いから大奄美の圧力に屈し、見せ場なく寄り切られた。それでも落ち込んでいる暇はない。きょう13日目からは、十両生き残りを懸けた戦いになる。気持ちを切り替え、「しっかり前に出られるように頑張ります」と前を向いた。

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