コンサドーレ
2023/12/14 23:40

【一問一答】52クラブがシーズン移行支持も札幌は現段階では継続検討を支持 三上大勝GM「理解はそこまで進んでいない」

オンラインで取材を受ける三上GM(©2023 CONSADOLE)

26ー27シーズン実施へ Jリーグ60クラブで投票

 Jリーグは14日、東京都内で実行委員会を開催し、開幕を現行の2月から8月へ移すシーズン移行を2026-27年に実施するかについてJ1・J2・J3の全60クラブに意思を問う投票を行った。投票では『①シーズン移行の実施を決め、残された課題を継続検討する』『②現段階ではシーズン移行を決めず、数カ月の検討期間を目安に継続検討する』『③シーズン移行を実施しない。継続検討を行わない』の3択が示され、結果は①52クラブ、②7クラブ、③1クラブだった。最終的な判断は今月19日の理事会で決定する。

 実行委員会後、北海道コンサドーレ札幌の三上大勝代表取締役GM(52)はオンライン上で道内メディアの取材に応じ、②の現段階ではシーズン移行を決めないことに投票したことを明かした。一問一答は以下の通り。

―コンサドーレとしての投票内容とその理由
 今回のJリーグのアンケートの②にあたる『現段階ではシーズン移行を決めず、数カ月の検討期間を目安に継続検討する』ということで意思表明させていただきました。

 既にクラブの考えとしてお伝えさせてもらっている通り、条件付きで、このシーズン移行に賛成しているというのは今も変わっておりません。なぜ賛成しているかということに関しましては、サッカー界という見方であれば当然、競技力の向上、さらにプレーヤーを含めた、サッカー界を取り巻くクラブのスタッフ、社員、そしてお客さんの安心、安全ということから考えての移行というものが必要ではないかと。今の日本の7月、8月というかなりきつい環境というのは、死にも繋がるかもしれないという懸念を持っていることから、サッカー界全体としてもシーズン移行というのは検討すべきだなと思っています。

 もう一つは、カルチャーというような意味合いの中で、コンサドーレとしてはこのシーズン移行を機会に、降雪地域を中心に、日本全国で冬期間でもスポーツをする、見る、そういう機会の創出をする大きなチャレンジになるのではないか、チャンスではないかというところから、そもそもシーズン移行というものに関しては賛成をさせてもらっていますし、今日時点でもその考えは変わりません。

 ただ、そういった中で(選択したのが)①の『シーズン移行実施を決め、残された課題を継続検討する』ではなかったのは、我々の「条件付き賛成」の条件というのは、まずは降雪地域等々を含めた試合を開催、練習する選手、もしくは見てくれるお客さんの環境を整備する、その目処をつけるということが大きな一つです。もう一つは、我々は自治体、パートナー企業を含めた、ファン・サポーターを含めた方々によって活動できていると思っているので、特にファン・サポーターに対するこのシーズン移行をすることへの理解が深くされることが条件です、ということを常に提案させていただいておりました。

 一点目に関しましては、ある一定の財源をリーグとしても確約し、その財源を元にこういった形でやっていきましょう、というようなことで少し見えてきてますので、我々としてはまだまだそこに関しても継続審議、深掘り検討も必要だと思っていますけども、一定の条件はクリアできているなという判断をさせてもらっております。

 もう一方の二点目。ステークホルダー含めた自治体、パートナー、そして何よりもファン・サポーターの方々への理解ということに関しては、この理解が進んでいるよと思われている方もいると思っていますし、それは人それぞれだと思っています。その中で我々北海道コンサドーレ札幌というクラブとしての考え方としては、その理解というのは、そこまで進んでいないだろう、というふうに今日現在で感じております。

 よって、我々の考えている条件というものの二つ目がクリアできていないというところで言うのであれば、シーズン移行というものを今日の段階で決めるのではなく、継続審議の中にあるステークホルダーへの説明、理解、そういったものをもう少し深掘りをした上で、2カ月後、3カ月後等々、一つの目安に、改めてシーズン移行しましょうというような決議に向かっていくことの方が、より皆様方と同じ方向を向いて、もしシーズン移行に行くとしても、一枚岩になってやっていけるんじゃないかなというようなことを思い、②という回答をさせていただきました。

 補足、余談になるかもしれないですけども、今と同じようなことを、実はこの実行委員会の中でも意見させていただきました。そういった中で、Jリーグおよび多くのクラブの方々も「そうだな」ということで賛同されていたんですけれども、Jリーグとしてもその理解が深まっているとは言い切れないという自覚はあって、「これをやらなければいけないとも思っています。でもJリーグなりにここまで半年かけて、例えばJリーグの公式YouTubeなどでシーズン移行の重要性を説いているようなことをされているように、やれるだけのことをやってきたけれども、今の現状です。ここからさらにその理解を深めるということを考えるのであれば、理事会等を含めて『もうJリーグとしてはシーズン移行するんです』というピン止め。このピン止めがあるからこそ、本気でいろんな方々に理解を求めていくエンジンになるんではないでしょうか」というリーグのご説明でした。

 それを聞いて私自身も確かにその側面はあるなと感じていました。ただこれは良い悪いではなく、考え方、捉え方の違いだと思うんですけども、私としては先ほども言ったように、例えばスタジアムの日程確保の面だとか、その他もいろいろ協議しなければいけないことがあると思っています。

 でもその中というのは、乱暴な言い方をすると、サッカー界だけでまあまあ話し合っていける話だと思っているんですね。なので、その中でもやはり外してはいけないのはファン・サポーター。ここの意見というものをやはり除外するわけにはいかないんじゃないかと。

 なので僕としては、コンサドーレとしては、今までのクラブの在り方、考え方からも、まずはファン・サポーターにしっかりとある程度の理解、浸透というものがあった上での決議をする方がより良いのではないかという、そこの方法論の違いということで、先ほども申し上げた通り、我々は②という選択をさせていただきました。

―大筋の方向性が決まったことについての三上GMの率直な感想を
 一つの方向性に対してまず決定していくということと、60クラブが『52対7対1』と結果的にはなっていますけども、その『7』であったり『1』であったりという、それぞれの意見を聞いていただいた上で、ある一定での方向性が出るということになると思っていますから、そういった意味では今回、サッカーファミリーと言われる各クラブが、それぞれの意見は違いますけども、ある程度のコンセンサスを得た、大きな一歩になったなと会議終了後に感じていました。

―降雪地域のクラブとして、今後のやり方について現時点でのイメージ、ビジョンはあるか

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