■パ・リーグ５回戦　日本ハム５ー３楽天（４月２２日、楽天モバイルパーク宮城）

状態はまだまだ本調子ではない上沢　試行錯誤し要所を締めた

　エースとベテラン左腕。大黒柱のピッチャー２人がプロフェッショナルとは何か―を見せつけてくれた。

　先発の上沢にはまだ、フォームに〝バグ〟が入る瞬間があった。急にボールが抜けたり、調整しようとして引っかけたり。その苦しみは痛いほど分かる。それでもカーブを続けるなど修正を試み、バッテリーで試行錯誤を繰り返し、要所を締めた。

五回無死満塁を無失点　狙って取った渾身のゲッツー

　圧巻だったのは五回だ。無死一、二塁でバントが内野安打となり、満塁とされた。嫌な形でのフルベース。かなりの確率で失点を覚悟しなければいけないシーンとなった。だが、１死を奪った後、３番の浅村を併殺に打ち取り、無失点で切り抜けた。狙って取った渾身のゲッツーだったはず。さすがは経験豊富な上沢。危機回避能力に秀でている。最少失点を覚悟した結果の無失点だった。

苦しい投手陣の台所事情　セーブシチュエーションで宮西が登板

　そして九回のマウンドには宮西が上がった。リリーフ陣の苦しい台所事情。首脳陣は「宮西がいるじゃないか」と考えたのだろう。その姿を他の投手陣にも見せたかったはずだ。

　先頭打者にヒットを許しても決してバタバタしない。手術やリハビリを繰り返し、オープン戦からルーキーのように自分をアピールし続け、１軍に戻って来た。

野球人の心をも熱くさせる宮西の姿　試合は投打がかみ合って快勝

　解説しながら、スコアブックをつける手が震えた。最後には、ペンを持つ手がガッツポーズに変わっていた。野球人の心をも熱くさせる宮西の姿にロマンを感じた。そういうシーンの提供者こそがプロ野球選手、プロフェッショナルなのだろう。

　打線は４番の野村が先制点を叩き出した。投打がかみ合った最高の試合と言ってもいい内容だった。