プロ８年目左腕の北浦が２軍で好投を見せている。８月２７日の西武戦（鎌ケ谷）では、３番手で２回を投げて５三振を奪う圧巻の内容。「もう、吹っ切れています（笑）。ここ最近、悪かったので何か改善するなら。いきなりフォームを変えるより、足を着いてからの間を変えるっていう意識をしています」。中３日で先発したヤクルト戦（戸田）でも、３回を投げて１安打無失点だった。

　昨年、戦力外通告を受け、育成選手として再契約。支配下復帰を目指し、懸命に腕を振ってきた。「育成になって分かりましたけど、登板間隔も空くし、モチベーションを保つのがむずいなって。気持ちの面でもそうですけど、でもプラスに考えないとダメ。間隔が空いているから自分の時間があると考えました」。しかし、シーズン中の支配下登録期限７月３１日までに吉報は届かなかった。

　「来年に向けてやるしかない」。そう切り替えられたのは、愛妻の支えがあったからだという。北浦と出会ってから野球に興味を持ち、今は助言もしてくれる。「奥さんも野球に対して言ってくれる。一番のコーチですね。一番のアドバイスをしてくれる。無理だって諦めるんじゃなくて、来年につながるような野球をしていこうという話をしています」。前向きな左腕の姿に、心から応援したいと思った。