笑顔でエール

　日本ハムの玉井大翔投手（３１）が２９日、エスコンフィールド北海道で行われた秋季練習に参加し、キャッチボールやランニングで汗を流した。前日２８日には上沢直之投手（２９）が記者会見し、ポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指すことを正式表明。多くの時間を共に過ごした道産子右腕は「すごく応援しています」と、笑顔を浮かべてエールを送った。

尊敬の気持ちと寂しい思い

　近々、別れの日が訪れるにも関わらず、湿っぽさは一切ない。「（大谷や有原ら）同世代の選手たちがどんどん行ってしまうから、だんだん友達がいなくなる。すごいなって尊敬の気持ちと寂しい思いが強いです」。言葉とは裏腹に、表情は清々しい。投手陣を支え続けたエースへの敬意があるから、新たな挑戦を快く応援している。

頑張っている姿を見てきたからこそ

　右肘手術や左膝骨折の試練を乗り越えて、夢舞台への挑戦権を得た。後輩が苦労を重ねた過去を知っているだけに、異国での成功をただ純粋に願っている。

　「僕はあまりメジャーのことが分からないから、その話は全然してない。でも、本当に通用してほしいですよね。頑張っている姿を見てきたので。ケガで苦労してきた上沢が、メジャーで抑えている姿を見たら…泣いちゃうかも。嘘です、泣かないです」

上沢vs大谷　勝つのは？

　何よりも楽しみなのは、元ファイターズ選手同士の対決だ。上沢vs大谷が実現する日を想像し、ニヤリと笑う。「楽しみですよね。どういう顔して投げるんだろ？　勝つのは翔平ですね。簡単に打たれると思います（笑）」と対戦を熱望しつつ、ユーモアたっぷりに結末をイメージした。

性格的にもなじめるはず

　冗談はここまで。海の向こうでも変わらぬ活躍を確信している。玉井は「大きいカーブとフォークを持っている。回転数の多い真っ直ぐも、通るのか通らないのか見てみたいし、興味がある。適応能力が高くて、性格的にもなじめるはず。すぐに結果を残すと思います」と明るい近未来を予想した。

抜けた穴は全員でカバーする

　今季の上沢はリーグ最多の１７０イニングを投げ、チームトップの９勝をマーク。ぽっかり空く大きな穴を、投手陣一丸で埋める覚悟だ。「あれだけイニングを食ってくれた投手。先発は頑張らないといけないし、中継ぎも全体でカバーすることが重要になる。もちろん僕もたくさん投げるつもり。来季に向けてしっかりやります」と玉井。エース抜きの大逆襲を目指し、長いオフを充実させる。