新潟戦後のブーイング

　改修前最後のゲームとなった厚別での新潟戦（１５日、０●１）は残念な結果となった。雨の中で駆けつけたサポーターたちの思いは報われなかった。札幌にとって厚別は聖地と呼ばれる特別なスタジアムで幾多の名勝負が繰り広げられてきたが、この日は退屈なただの凡戦。試合後のブーイングも当然だろう。

オシムさんが観ていたら「各駅停車」と言われていた

　凡戦と感じた一つの理由として、両チームがポゼッションを得意としているチームであることが挙げられる。ボールをつなぐことに長けているが、ボールを止めてはパス、止めてはパスで、なかなか攻撃のスピード、リズムが上がらない。オシムさんが観ていたら「各駅停車」と言われていただろう。

数的同数の方がまだ追いつける可能性はあった

　唯一得点となった新潟のゴールは、タイミングよく縦パスが入ってスピードが上がったため、ＤＦ中村がサイドを割られた。特に札幌の攻撃はダイレクトパスの崩し、変化が乏しく、得点の匂いはなかった。おまけに新潟は退場者が出て数的不利となったため、割り切って守りを固めてきた。０－１のビハインドでも数的同数の方がまだ追いつける可能性はあったと思う。

　終盤、ＤＦ岡村を前線に上げてＦＷ金健熙とのツインタワーでパワープレーに出た。もっとシンプルに放り込んで、こぼれ球を拾って押し込む泥臭さがほしかった。要は雨の厚別では攻撃がきれい過ぎたということ。

金子抜きの後半戦

　ＭＦ金子がクロアチア１部のディナモ・ザグレブへ移籍することになったようだ。クラブからの公式発表はまだだが、札幌は金子を欠いてリーグ戦後半を戦うことになる。チームトップタイの８得点をあげ、右サイドで攻撃の核となっているドリブラーを欠くことは、札幌にとって当然ダメージがある。

右にルーカス、左に菅　より連係を高めてサイドの崩しを

　金子が抜けたらチームはどうなるのだろう？　現状では左にまわっているＭＦルーカスを右に持ってきて、左はＦＷ菅というのがスタンダードな形。ポテンシャルのあるＭＦ田中宏も成長してきているが、総合的な力はまだまだ。ＭＦ青木をワイドで使うことも選択肢にあると思うが、個で突破できる怖さ的にはかなりマイナスとなる。どちらにしても金子がいなくなったら、よりコンビネーションを高めてサイドを崩していくことになる。いい補強があるなら、話は別だが。