◇オープン戦　 日本ハム１―０ヤクルト（３日、札幌ドーム）

ビッグボス采配が冴えた！ 日本ハムは２日、札幌ドームでヤクルトと対戦し、１―０で勝利。オープン戦ながら、今シーズン本拠地初白星を奪取した。本職にこだわらない守備起用に選手が応え、随所に好プレーを連発。３投手による完封リレーをバックアップした。打っては１安打で虎の子の１点を奪取。七回２死三塁で佐藤龍世内野手（２５）が右前に適時二塁打を放った。少ないチャンスを確実にモノにするのも“新庄流”。ペナントレースを見据え、価値ある１勝を手にした。

三塁・浅間、中堅・細川、左翼・田宮が！守備位置シャッフルで攻守連発

　無邪気にはしゃいだ。本拠地初采配となった新庄監督は、就任直後から提唱していた守り勝つ野球の神髄をファンに見せつけた。好プレー連発で失点を防ぎ、わずか１安打で１―０勝利。「守りで勝つ。１安打で勝つ。１安打で勝つ試合を、６０試合くらいしたいな。もっと打てって？　ハハハ」。昨季日本一のヤクルトを相手に、知恵と工夫で激レアな勝利をたぐり寄せた。

　常識破りの練習、実戦を経験してきた選手たちは、本職ではないポジションにも適応した。三回は三塁で出場した浅間が軽快にゴロを処理。四回無死一、二塁のバント処理では一塁の渡辺がチャージをかけて三塁封殺。続くピンチでは、中堅の細川が深めの飛球を捕り、完璧な中継プレーで２走のタッチアップを阻止した。

　黒いパーカー、赤いサングラスを着用して指揮を執った監督は、頭の上で手を叩き、飛び跳ねてたたえた。捕手の田宮も左翼で先発出場し、七回に持ち前の強肩でピンチ拡大を食い止めた。

　六回まで無安打の打線は終盤、小さなほころびに付け込んだ。七回の四球をきっかけに犠打を絡めて２死三塁。「ペッパー師匠」こと佐藤が中堅、右翼、二塁の真ん中にポトリと落とし、待望の１点をゲットした。運も味方に付けた道産子は「前に飛ばしたら、何かあるなと。食らいついて、不細工なヒットでしたけど、結果的に打点付きの一本になって良かったです」と表情を緩めた。

　あわや完敗の内容が一変し、劇的な勝利。新庄マジックがさく裂し「ペッパー師匠がしっかり落としてくれて。オレ、言っていたんですよ。ペッパー師匠が打って点数が入ると。計算通り。いやー、守備がいいし投手も良かったし、言うことないでしょう」と笑いが止まらなかった。

　仮に戦力差があっても、勝つための手段があると証明する。機を逃さない集中力、執念が必要不可欠だ。指揮官は、究極の勝利に触れ「（安打）０本で勝ったらすごいね。ノーヒットノーラン勝ち。あるのかな、今まで。たぶん、つくれるよ、うちは」と豪語した。

　今は結果よりも、勝つための布石を打っている段階だ。あえてエンドランを仕掛け、打者の対応を見るために配球のサインを出す場面もあった。極端なシフトもそう。ビッグボスはシーズン本番のシビアな勝負に備え、大胆で自由な発想を強みに変えていく。

ＢＩＧＢＯＳＳファンクラブ入会　会員番号は「１」ぞろ目

　日本ハムは２日、新庄監督が球団オフィシャルファンクラブに入会したと発表した。会員番号１０桁は背番号「１」にちなんで「１１１１１１１１１１」に決まった。

　新庄監督は「ファイターズはファンあってのものであり『ファンは宝物』です。一緒に泣き、笑い、感動してくれるファンと同じファンクラブに入会することで、仲間入りができてとてもうれしいです。今後は、ファンと一緒にファイターズを盛り上げていけるようなことを一つでも増やしていきたいと思います！」と球団を通じてコメントした。