佐藤輝斬りでアピール成功―。　高卒２年目の根本が六回、マウンドに上がった。いきなり２番・木浪を見逃しの３球三振に仕留めると、次打者に昨季新人ながら２４本塁打をマークした佐藤輝と対峙（たいじ）した。

　だが、全く動じることはなかった。フルカウントから１４５キロの直球を投げ込み、空振り三振を奪ってみせた。「三振を取ろうとは思ってなかったんですけど、強いボールを投げようかなと思ってました」。繰り出された直球は切れ味抜群だった。

　２回を投げ、四球を１つ与えたが、３奪三振無失点。６日に行われたシート打撃形式の実戦でも２三振を奪う好投を見せるなど、水を得た魚のように躍動している。それでも「まだ短いイニングしか投げていない」と浮かれることはない。

　激しいことが予想される開幕ローテ争い。「疲れも出てくると思うので、自分の体のケアなどをしっかりして、もっといいアピールができれば、と思います」。道産子左腕が静かに闘志を燃やしている。